ヒダマルの子育て情報館。

元保育士なヒダマルが、お子さんとの生活の知恵を伝えます。

「いないいないばあ」はなぜ面白い? 乳幼児の特性から解説。


 いないいない……、

 ばあ。


 手や布で顔を隠し、「ばあ」の合図と共に出てくる、ただそれだけの遊び。

 お子さんがいない方でも、耳にしたことくらいはあるはずです。知名度の高さはドラえもんを超えると予想します。

 


 日本に限らず、海外でも同じような遊びは存在していますね。

 英語なら「 Peek-a-boo(ピーカ・ブー)」。
 イタリア語なら「Bao bao cette(バォバォ シェッテ)」。


 言語が違えど内容はほぼ同一、「いないいないばあ」は万国共通のあやし方なのです。偉大です。

 

 

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 ……でも、ちょっと待ってください。

「いないいないばあ」って、そんなに面白いですか?

 

 隠れて出てくるだけですよ?

 いや赤ちゃんは大爆笑してますが、こんだけやっても飽きないってこの子頭悪いんじゃなかろうか大丈夫か?


 なんて疑問を、元保育士なヒダマルが解説します。ぺこり。

 

 

 

乳児の社会性。

 生まれたばかりの赤ちゃんは世話の全てを大人に任せ、自らは何の能力もないと思われがちですが、実はしっかり社会性があります。

 相手の顔に注目しているのです。


 例えばこんな落書きがあったとすると、

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 乳児はより「人間の顔」に近い方、右側の落書きを注視する時間が長いことが知られています。

 つまり、赤ちゃんは本能的に、人と関わる術を持っているのです。

 

 

「ほらやっぱりね」の安心感。

 生まれて一年程度の乳幼児にとって、この世は刺激に満ち溢れています。常に新しい発見があり、常に新しい経験があります。

 はいはいやつかまり立ちを始めようものなら、そのフロンティア精神は留まるところを知りません。生まれながらの冒険者です。


 しかし同時に、怖いものや痛いことに出くわす可能性も、急速に高まります。試練です。ディシプリンです。

 


 そんな時に嬉しいのが、「ほらやっぱりね」の感覚。

「ちょちちょちあわわ」「いっぽんばしこちょこちょ」等のわらべ歌遊びは、常に同じメロディ、常に同じ結末が用意されています。

 何度でも同じ体験ができる環境があり、「ほらやっぱりね」の安心感があるからこそ、新しい世界への探索を続けられるのです。

 

※保護者をはじめとする特定の養育者の存在は、その最たるものです。

 

 

いないいないダチョウ倶楽部。

「顔に注目する本能」
「ほらやっぱりねの安心感」

 乳幼児が持つ、ふたつの特徴……。
 これらに対応する、究極のエンターテインメント……。


 ……もうお分かりでしょう。

 


 そう、

 乳児幼児にとっての「いないいないばあ」とは、


「ダチョウ倶楽部と熱湯風呂」なのです。


「そんなん絶対面白いやんズルいやん」っていう組み合わせなのです。

 

 この最強コンボは、「いないいないばあ」に限らず有効です。

 例えば「タオルを頭に乗せて、落とす」だけで大爆笑することもあります。試してみてください。

 

 

まとめ。

「いないいないばあ」の謎を、保育士の視点から解明してみました。堅苦しい言葉を使えば「乳幼児心理学」です。


 このブログ、半年以上更新してない割には月500人くらいの方が見てくださってるんですよ。
 なんか申し訳ないなと思って、気まぐれに更新してみました。

 ネタを思いつき次第、ゆる~く続けて行こうと思います。


「いないいない」部分が長いかもしれませんが、たまに覗いてみてくださいませ。

 

www.hidamarukosodate.com

 

想像力で、遊びを作る。 『おおきなおおきなおいも』


 1972年発刊の絵本。
 表紙には「鶴巻幼稚園・市村久子の教育実践による」と添えられています。実話をもとにした絵本ですね。

 作者の赤羽末吉さんは『ももたろう』や『やまなしもぎ』等でも知られる絵本作家。
 子どもが読む本だからと手を抜かないどころか、「子どもが読む本だから手を抜けない」という姿勢で取り組まれていたことで有名です。尊敬します。

 

おおきなおおきな おいも (福音館創作童話シリーズ)

おおきなおおきな おいも (福音館創作童話シリーズ)

 

 

  

素敵な言葉と想像力。

 明日は芋ほり遠足。

 しかし、当日は雨が降ってしまいました。これでは、遠足は延期です。

 

 楽しみにしていた芋ほり遠足が一週間も延びて、子どもたちは残念な様子。
 諦めきれずに「傘をさしていけばいいんだ! 長靴はいていけばいいんだ! かっぱきていけばいいんだ!」とアイデアを出し、先生を説得しようと試みます。

 代替案を出して大人を動かそうとする姿勢とエネルギー、おそらく年長組でしょう。


 どうしようかと考えている時に、ひとりの子どもが、素敵な提案をしました。

 

 だいじょうぶ だいじょうぶ
 おいもはね 1つねると むくっと おおきくなって
 2つねると むくっ むくっ とおおきくなって
 3つねると むくっ むくっ むくっ とおおきくなって
 4つ ねて 5つ ねて 6つ ねて 7つ ねると
 いっぱい おおきくなって まっててくれるよ

 

 なんて素敵な想像力でしょう。
 なんて前向きな言葉でしょう。


 雨を恨んでいた子どもたちの心が、いっぺんに前向きで楽しい気持ちに変わりました。

 

 

表現する遊びへ。

 一人のこどもによって期待が膨らんだみんなは、一週間後のお芋がどんなに大きくなっているか、手を広げて表そうとします。

 一人の手では足りず、二人、三人と手をつないでも、お芋の大きさは表せません。


 と、いうことで、お絵描きすることにしました。

 この提案は先生からなのか、それとも子どもたちの中から出てきたものなのかは分かりませんが、どちらにしても楽しそうですね。
 共通のイメージをみんなで形にするなんて、まず間違いなく盛り上がることでしょう。

 

 

 赤紫の絵具で描くお芋は、一枚の紙には入りきらず、次から次へと紙を継ぎ足していきます。

 みんなで頭を寄せ合って描いた、「おおきなおおきなおいも」。
「どんなおいもができたかな?」と声をかけた先生に、子どもたちは喜んで披露します。
 ページを貫いて、めくってもめくっても続くお芋の絵に、こちらもびっくり。

 84ページある絵本のうち、14ページがお芋の絵で占められています。

 

 

まとめ。

 とある子どもの素敵な発想と、みんなの想像力・行動力によって、「おおきなおおきなおいも」が出来上がりました。

 子どもたちの表現したい欲求は、この時点であらかた満たされていたかもしれません。
 けれど、この先生は、さらに素敵な想像力の持ち主なのです。


 こーんな おおきな おいも
 どうやって ほりだすの?


 ……さあ、どうやって掘り出しましょう。

 

 

 このお話は、実はまだまだ続きます。
 ここからが本番と言ってもいいくらいです。

 先生の言葉から、どんな空想が膨らむのか、どんな遊びが展開されるのか、是非読んでみてください。

 

はしかが流行中! 予防法・対処法は?


 沖縄や愛知を中心に感染が広がっている「はしか」

 15日までに、全国で150人以上、ヒダマルの住む福岡県でも9人の患者が確認されました。
 非常に感染力の強い病気なので、各県とも危機感を高めているようです。福岡県では15日、「福岡県感染症危機管理対策本部」が設置されました。

 はしかの予防法、かかった時の対処法を予習しておきましょう。

 

 

はしかの基礎知識。

 はしかの原因は「麻疹ウイルス」

 空気感染、飛沫感染、接触感染により感染し、感染力はインフルエンザの10倍というから驚きです。
 福岡県のはしか患者9人の内、5人は同じ男性から感染したと考えられています。


 感染後10日くらいの潜伏期間を経て、まず発熱や鼻水、咳などの症状が現れます。
 発病から2日目、3日目と経過するに従い、それらの症状がひどくなり、時には結膜炎も併発します。

 同時に、皮膚に赤い発疹が出始めます。強い痒みを伴うので、他の症状と相まって辛い状況が続きます。

 8日目くらいで症状が治まりはじめ、食欲も出てきて回復へ向かうことが多いようです。

 

 

 下痢、中耳炎、結膜炎、肺炎、また1000人に一人は脳炎を併発すると言われており、非常にやっかいな感染症です。


 数十年前と比べれば重症化することは少なくなったといえ、発症から回復まで10日~2週間はかかると覚悟してください。

 自分や家族がはしかと診断されたら、腰を据えて向き合いましょう。

 

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予防方法。

 感染経路が多岐に渡り、強い感染力も伴って、手洗い・うがい・マスク
では予防効果が薄いとされています。

 そのため、予防に最も効果的なのは「予防注射」


「1歳~2歳までの間」と「5歳~7歳未満の間」の2回、予防接種法に基づいた予防接種を受けられます(基本的に無料)。

 上記の条件に当てはまらない方でも、有料になりますが、医療機関で予防接種を受けることが出来るようです。

 詳しくは、お住まいの自治体へ確認を取ってください。


 また、一度はしかに感染した方や予防接種を受けた方の場合、既にはしかの免疫を持っているため、再感染することはほとんどありません。

 

 

「それでも発症した!」という場合……

 まず、人前に出ないようにしましょう。

 感染力が非常に強いので、それはご法度です。子どもの場合、保育園なども当然休ませます。(登園の目安は、解熱後3日を経過してからです)


 本人も、看病する方も辛いでしょうが、かかった以上はしょうがない。

 誰であれ存分に甘やかしつつ、食べやすいものを与えましょう。食欲が低下するので、好物かつ喉を通りやすいものだと良いでしょう。

 子どもなら、アイス、ヨーグルト、プリン等ですね。


 完全に回復した暁には、お互い一仕事を乗り越えたご褒美も用意したいところ。また一つ強くなったわけですからね。

 

 

まとめ。

 麻しんの予防接種歴がなく、発熱、咳、鼻水、眼球結膜の充血等 麻しんに特徴的な症状が現れた場合は、事前に医療機関に電話で連絡し、指示に従って受診しましょう。

 その際、症状出現日の10~12日前(感染したと推定される日)の行動(海外の流行地や人が多く集まる場所へ行ったかどうか等)について、医療機関に確認されると考えられるので、事前に軽くまとめておくとスムーズに受診できます。


 一度感染している・予防接種を受けているのならほぼ心配はありませんが、流行に関する情報には耳をすましておいた方が良いでしょう。


 ヒダマルも、気をつけます。

 

 最後に、福岡県の情報で申し訳ありませんが、はしかに関する情報が詳しく掲載されているサイトです↓

麻しん(はしか)に関する注意情報 - 福岡県庁ホームページ

 

優しささえあれば。 『モチモチの木』


 小学生の頃、教科書に載っていたお話です。
(今はどうなんでしょう?)

 1971年刊で、作者は誰もが知る斎藤隆介さん。
 お名前を知らない方でも、絵を見れば「ああ、あの!」とガッテンすること請け合いです。

 

 そう、こちら↓

モチモチの木 (創作絵本6)

モチモチの木 (創作絵本6)

 

 ガッテンして頂けましたでしょうか?

 

 

『モチモチの木』の魅力。

 じさまと二人暮らしの男の子、豆太。

 豆太の家のそばには「モチモチの木」と読んでいる大木があり、毎年一度の丑三つ時だけ、この木に灯がともると言い伝えられています。

 そして、この現象を見られるのは、勇気あるたった一人の子どもだけ。


 じさまもおとゥもこの灯を見ましたが、豆太は一人で夜中のおしっこに行けないくらいの弱虫。
 自分でもそれを分かっていて、モチモチの木の灯を見る事は叶わないと思い込んでいます。

 

 

 そんな豆太を変えたのは、ある事件。

 優しいじさまが、夜中に腹痛を起こしたのです。
 苦しむじさまを助けるために、暗闇の中を走り、一人でお医者様を呼びに行った豆太。

 その時、豆太が見たものは……、

 

 

6歳児だって、甘えんぼ。

 6歳児といえば、保育園・幼稚園で最も大きな子どもたち。
 同じ保育園にいる赤ちゃんたちと比べたら、奇跡のように大きく育ってくれたことをしみじみ実感します。


 体重にして20キロを超える子も珍しくありません。

 大人の論理に立ち向かう発想力・言葉の力もありますし、口では一丁前なことを言ったりもするでしょう。

 心も体も、本当に、大きく育ってくれました。

 

 

 ただ、そんな6歳の子どもたちにも、時には甘えることが必要です。

 

 まだまだ、甘えることが、必要です。

 

 甘えることで、充電して、外の世界に立ち向かう用意をしているのです。子どもは子どもで、毎日色々頑張ってます。

 

 

 子どもが甘えてきた時は、甘えが必要な時です。

 まだまだ、たっぷりと、甘えさせてあげましょう。


 物語の終わり、やっぱり夜中のおしっこに行けない豆太へ、穏やかな眼差しを向けるじさまのように。

 

 

まとめ。

 途中から「甘え」に関するお話になっちゃいました。

「甘えさせる」と「甘やかす」の違いはたまに話題になりますが、その点もいつか論じてみたいと思います。


 とりあえず、年齢一桁な子どもがくっついてきた時には、存分に受け止めてあげましょう(重いけど!)

 

今日はいい天気。 『ぞうくんのさんぽ』


 発刊から50周年を迎えた絵本、『ぞうくんのさんぽ』。

 繰り返しの中に簡単なストーリーがあり、赤ちゃん絵本を卒業した子どもにピッタリな一冊です。

 

 独特なデフォルメと点描が魅力的で、何度読んでも味がある作風。

 ヒダマルも持っていますが、その皺と破れっぷりから、保育士時代の人気が思い出されます。

 

ぞうくんのさんぽ

ぞうくんのさんぽ

 

 

 

劇遊びにもピッタリ。

 散歩に出かけたぞうくんが、背中に次々とお友達をお友達を乗せていくストーリー。

 3歳児ともなると、友達と共通のイメージを持って遊びを展開することが出来ますから、「劇遊び」「ごっこあそび」にもピッタリです。


 子どもが保育園に通っていれば、生活発表会などで出会う機会も多いでしょう。

 

 

 家庭でも楽しめそうです。

 ぬいぐるみや人形をぞうくんに見立てて、絵本の展開を再現して遊べば面白そうですね。うまくいけば、ひとり遊びに没頭してくれて、小休止の時間ができるかも?


 そして、3歳児なら簡単なパズルもできるようになってきます。
『ぞうくんのさんぽ』のパズルもあるので、こちらも慣れれば没頭して静かに遊んでくれることでしょう。

 ただ、完成した暁にはしっかりと受け止める必要がありますが。

 

ぞうくんのさんぽ パズル 30

ぞうくんのさんぽ パズル 30

 
ぞうくんのさんぽパズル お花畑 ([バラエティ])

ぞうくんのさんぽパズル お花畑 ([バラエティ])

 

 

 

『ぞうくんのさんぽ』の魅力。

 きょうは いいてんき。
 ぞうくんは ごきげん。

 この言葉から始まって、大きなぞうくんはお散歩に出かけます。そこで出会うのが、かばくん。
 ぞうくんはかばくんを散歩に誘いますが、


「せなかに
 のせてくれるなら
 いっても いいよ」


 斜め上の提案を出してきました。
「いや、自分で歩こうよ」とツッコみたくなる所ですが、優しくて力持ちなぞうくんは「いいとも、いいとも」と快諾します。

 

 

 次に出会うわにくん、その次のかめくんも順繰りに背中に乗せていくぞうくんですが……、

 重さにこらえきれずに、池の中におこっちてしまいます。

 

 静かな画面が続いてきた後の、「うわーーっ」「どっぼーん」というダイナミックな動きの連続。

 繰り返しの安心感の中に、適度な驚きも含まれています。赤ちゃん絵本以上に分かり易い「オチ」が付いているのです。

 

 

まとめ。

 同じようなスタイルの絵本には『おおきなかぶ』『てぶくろ』なんかが有名ですね。

「繰り返し×ストーリー」絵本の代表選手たちなので、お好みで選んでみてください。

 ただ、『てぶくろ』は年中さん向け、しかも冬限定かな?

 

音の魅力と、冒険の旅。 『めっきらもっきらどおんどん』


 ヒダマル、大好きです。

 読みきかせにはなかなか難しい絵本ですが、読んでいてとても楽しいんです。


 発刊は1990年、ヒダマルとほぼ同い年。

 絵を担当しているのは「降矢なな」さんですが、この方の絵本はどれも魅力的。ストーリーも外れなしなので、大人も存分に楽しめます。

 

めっきらもっきら どおんどん (こどものとも傑作集)

めっきらもっきら どおんどん (こどものとも傑作集)

 

 

 

素敵な擬音のオンパレード。

 タイトルからして、すごいですよね。
『めっきらもっきらどおんどん』なんて、普段耳にすることもなければ、口にすることもありません。

 そして、退屈な主人公・かんたが叫ぶめちゃくちゃな歌。


 ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ
 じゃんがら ぴこたこ めっきらもっきら どおんどん


 ここをどんな風に読むか、腕の見せ所です。

 

 

 不思議な世界で出会う三人の「化け物」も、実に面白い名前です。

 その名も「もんもんびゃっこ」「しっかかもっかか」「おたからまんちん」。珍妙なのに、一度聞いたら忘れられない響きを持っています。

 化け物というか、デザインと神社で出会う辺りからして「神様」のような存在なのでしょう。しっかかもっかかは『まゆとおに』に出てくる山姥の子ども・まゆに似ていますね。

 

 

『めっきらもっきらどおんどん』の魅力。

 人間の男の子「かんた」が不思議な世界に迷い込み、三人の化け物と遊んで帰ってくるお話。

 ザ・絵本な展開ですね。
 想像するだけでワクワクしませんか。

 

 見るからに個性的なキャラクターたちは、ダイナミックな構成の絵も相まって、動いているかのように見えます。月並みな表現で恥ずかしい限りですが。

 山村浩二さんの絵にも通じますが、「アニメーションになったらこんな感じかな」という想像が、何の努力もなく可能なのです。

 下のサイトで数ページだけ試し読みできるので、のぞいてみてください。

(数ページ読める)めっきらもっきらどおんどん|絵本ナビ : 長谷川 摂子,ふりや なな みんなの声・通販

 

 

 本を読むという体験は、正に「別世界に行って、帰ってくる」感覚です。

 その意味で『めっきらもっきらどおんどん』は象徴的な作品ですし、他の代表作では『おしいれのぼうけん』『エルマーのぼうけん』がありますね。

 降矢ななさんの本だと、『きょだいなきょだいな』なんかも素敵なラストです(粋でさりげない演出がたまりません)


『おしいれのぼうけん』『エルマーのぼうけん』よりも分量的に読みやすく、3歳頃から楽しめる絵本です。

 

 

まとめ。

 うぅん、アニメの紹介のように情熱的にやれたらいいのですが。

 鉄板な絵本しか紹介してないので、結局「お勧めです」で締めるしかないのが悩みどころです。

 次回はヒダマルの持ってる中から紹介してみようかな。

 

こんどはどこ。 『きんぎょがにげた』


 五味太郎さんの絵を見たことがない方って、どれくらいいるでしょうか。

まどからおくりもの』はクリスマスの絵本の定番ですし、『きいろいのはちょうちょ』も何度読んでも楽しい仕掛け絵本です。

 その五味太郎さんの代表作といえば……?

 

 

繰り返しのクイズ。

 子どもの心に残りやすい、繰り返し絵本です。
 家のそこかしこに逃げていくきんぎょを、「こんどはどこ」との問いかけで探していくクイズ形式。

「2~4歳むき」と書いてはいますが、実際には0歳児に読んでも興味深げに見つめます。
 ただ、固い紙ではないので、与えるとすれば2歳以降がいいでしょう。

 

きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)

きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)

 


 初版は1977年。

 実に40年以上も前の絵本です。「20歳を越えれば殿堂入り」とも言われる絵本の世界で、かなりの長寿を誇っていますね。

 最近では、描き下ろしイラスト入りの記念切手も出たのだとか。ちょっと欲しい……。

 

 

『きんぎょがにげた』の魅力。

 繰り返し絵本ではあるものの、単純なものではありません。金魚鉢から逃げ出したきんぎょが、ページのどこかに隠れてしまうのです。

 はじめこそ簡単ですが、後になるにつれて複雑になり、小さな子にはちょっと難しい問題も出てきます。


 そこでぴったりなのが、2~3歳児。

 イヤイヤ期真っただ中や、それを乗り越えた子どもにとっては、自分は一人前のつもりです。
 なんでもできるつもりでいます。実際に、身体の動き自体はもう大人とそんなに変わりありません。

 一日中寝そべっていた赤ちゃんの頃と比べれば、目を見張る成長ですね。


 ただ、現実には、彼らにはできない事がまだまだ山ほどあります。
 そのジレンマへ安定剤として働くのが、『きんぎょがにげた』なのでしょう。

 ちょっぴり難しい隠し絵でも、一、二回も読めば子どもたちは憶えてしまいます。「こんどはどこ?」と問われた時に、確実に答えられるのです。

 子どもに丁度いい「できた」の感覚、体験ができる点こそ、この絵本の魅力だと思います。

 

 

まとめ。

 はらぺこあおむし程ではないものの、こちらもグッズが色々あるようです。個人的には、積み木が欲しいですね。

 

きんぎょがにげた の つみき

きんぎょがにげた の つみき

 

 
 積み木の作品の中にアクセントとして置いたり、「きんぎょがにげたごっこ」でもしようものなら……。

 ぜったい楽しいじゃないですか。

 

健やかに、伸びやかに。 『はらぺこあおむし』


 日本の代表選手が『いない いない ばあ』だとすれば、世界で最もよく読まれている絵本はなんでしょう。

 色々と候補は上がると思いますが……、そのうちの一冊が、『はらぺこあおむし』です。

 

はらぺこあおむし エリック=カール作

はらぺこあおむし エリック=カール作

 


 言わずと知れたエリック・カールさんの代表作で、日本でも300万部以上が発行されています。

 ボードブックや塗り絵絵本、DVDなどもあり、大人からの人気も高い一冊ですね。ヒダマルも大好きです。

 

 

ストーリーのある絵本。

『いない いない ばあ』や『じゃあじゃあびりびり』は、完全な繰り返し絵本です。ストーリーらしいストーリーはなく(起伏がない訳ではありませんが)、正に「赤ちゃん絵本」という印象ですね。


 一方、この『はらぺこあおむし』には、ストーリーが含まれています。

 赤ちゃん絵本が幼すぎると感じてきたら、ストーリーのある絵本への移行にぴったりな『はらぺこあおむし』が役に立つでしょう。
 ストーリーの中盤に「繰り返し」の要素も入っているので、赤ちゃん絵本を卒業したての子どもでも楽しめる工夫がされています。

 あんまり複雑だったり、長かったりする絵本では、まだ集中力が続かなかったりするものです。
(保育士は、この問題に少々頭を悩ませます。中間の丁度いい絵本って、あんまりないのです)


 目安では、1歳から2歳へ移行するくらいの時期にぴったりだと思います。

 途中、誰もが指を入れたくなる素敵な穴が開いているので、あまり小さな子に与えるとびりびり破られる恐れも。

 

 2歳児から3歳児への移行では、坂井駒子さんの『ロンパーちゃんとふうせん』がぴったりなのですが、こちらは別の機会にご紹介します。

 

 

『はらぺこあおむし』の魅力。

 世界に飛び出し、美味しいものを食べて、失敗してお腹を壊すあおむし。その後、緑の葉っぱを食べて元気になり、最後は蝶々に成長する、はらぺこあおむし。

 子どもの健やかさ、伸びやかさを象徴しているのだと感じます。


 2歳児といえば、イヤイヤ期。

 自分と保護者との決定的な断絶に直面し、依存と自立の中で揺れ動く時期です。子どもも大人も、大変です。
(子どもも、の部分、大切です)


 気持ちを押し通して、失敗することは増えるでしょう。2歳児では、欲求と能力に大きなギャップがあるからです。
 イライラすることも増えるでしょう。お腹が痛くなることも。

 でも、大丈夫。
 そうやって成長していくのです。

 きっと、乗り越えられます。

 

『はらぺこあおむし』は、自立への第一歩を踏み出した子どもたちへの、健やかな応援歌なのです。

 

 

まとめ。

 保育士時代、ヒダマルは『はらぺこあおむし』のDVDを持っていました。

 絵本の文章にメロディを付けた歌が収録されていて、絵本をめくりながら歌ってみせると、子どもたちはみんな釘付けでした。懐かしいなぁ。

 

 間違いなく鉄板な絵本の一つなので、「迷ったらコレ!」と断言できます。

 関連グッズも色々あるので、あるいは大人の方がハマるかもしれません。ぬいぐるみが欲しい。


 以上、ヒダマルでした。

 

51歳の絵本。 『いない いない ばあ』


 いないいない、ばあ。

 0歳児との遊びと言えば、コレですよね。


 赤ちゃんは、視界から消えた物を「なくなった」と認識します。
 その後、「ばあ」の合図と一緒に顔が出てくる、その繰り返しが面白い遊びです。

 赤ちゃんが本能的に注目する「顔」「ほら、やっぱりね」という繰り返しの安心感、その組み合わせは乳児にとって鉄板に面白いようです。

 大人に例えると、「ダチョウ倶楽部と熱々おでん」のような組み合わせでしょうか。

 

 

三者による体験。

いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)

いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)

 

 

 1967年に発刊された絵本、『いない いない ばあ』。

 2017年には50周年を迎え、その時点での発行部数は622万部を越えているそうです。

松谷みよ子 あかちゃんの本 - 童心社

 

 発売当初は、「いないいないばあは子どもと遊ぶものであって、絵本である必要はない」という批評もあったそうですが、ふたを開けてみると、実に多くの赤ちゃんが楽しむベストセラーとなりました。


 というのも、「親がやってみせるいないいないばあ」と「絵本で読むいないいないばあ」では、赤ちゃんにとって大きな違いがあるためだと思われます。

「親がやるいないいないばあ」は、親と子の関係。登場人物は、二者です。
 一方、「絵本で読むいないいないばあ」は親、子、絵本の三者で成り立っています。


 親の行為そのものを楽しむのではなく、親と子から離れて存在する現象を、一緒に見て楽しみ、共感するという経験をもたらすのです。

 

 分かり難いようなら、先ほどのダチョウ倶楽部さんの例えで想像してみてください。
「友達が熱々おでんを食べる様子を楽しむ」のと、「ダチョウ倶楽部が熱々おでんを食べる様子を、友達と一緒に楽しむ」では、大きな違いがありますよね?

 

 

『いない いない ばあ』の魅力。

 シンプルな絵本に見えて、実は多くの工夫が隠されています。

 まず、「いないいない」と「ばあ」、それぞれの見開きでは、登場人物が載っているページが違っています。
 ページをめくる時に「いないいない」と「ばあ」の表情が一緒に見えないようにしてあるので、赤ちゃんにとって一瞬のタイムラグが生まれるのです。

 また、「いないいない」と「ばあ」での、ささいな変化も面白い。
 ねこの尻尾が左右反対になっていたり、クマの閉じていた足が開いていたりします。


「ほら、こんな違いがあるよ、面白いね」なんて伝える必要はありません。子どもは、自分で気づいています。

 自分で、気づいて行きます。

 

 

まとめ。

 今回は、絵本の魅力を紹介する企画を立ててみました。
 そうなると、『いない いない ばあ』に触れない訳にはいかないという訳で、紹介した次第です。

 赤ちゃんと楽しむ絵本に迷ったら、まずはこの本を手に取ってみてください。51歳、622万部以上という実績は伊達ではありません。


 シリーズにして、ヒダマルお気に入りの一冊なんかもご紹介したいなぁ。

 

食べてはいけない食品添加物・その③【アスパルテーム】


 ご好評(な気がする)食品添加物シリーズ、第三段。

 スクラロースに引き続いての、人工甘味料です。

 

 今回取り上げる「アスパルテーム」は人工甘味料の一種で、甘さは砂糖の180~220倍。
 スクラロースは600倍でしたから、あちらと比べるとやや弱いですね。……なんて感じてしまうのがおかしいんですよねぇ。

 そもそも、砂糖自体がかなりパンチのある甘味を持っている訳ですから。

 

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アスパルテームの害とは。

 人間に脳腫瘍を起こす危険性、動物実験では白血病やリンパ腫が発生することが認められています。


 アメリカでは1980年代に使用が認められましたが、摂取した人から頭痛、めまい、視力低下や不眠、味覚障害を起こしたという苦情が訴えられたそうです。

 これは、アスパルテームが体内で分解されると「メチルアルコール」という物質ができるためだと考えられています。中枢神経、特に視神経にダメージを与えることで有名です。

 

 

 メチルアルコールと言えば、戦後の混乱の中で「安い酒」として出回ったと聞き及ぶ物質。

 工業用のアルコールから、危険なメチルアルコールのみを分留して作った格安の酒が存在していたそうです。そのお酒を飲んでいた人の中で、視力の低下やめまい、失明などの症状が出た方もいらっしゃるとか。

 まぁ、この辺りはハッキリとした知見はないので、断言はできません。聞き及んだ、というレベルですから。平成生まれですし。

 


 しかし、「アスパルテームを摂取すると、体内でメチルアルコールが発生する」「メチルアルコールは、神経系に悪影響を及ぼす」ということは事実です。


 カロリーゼロだけどアスパルテームを使った食品と、そうでない食品。

 どちらを食べたいと思いますか?

 

 

フェニルケトン尿症って?

 アスパルテームという言葉にほぼ必ずくっついているのが、「L-フェニルアラニン化合物」という文言。

 成分表には「アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)」と書かれています。()の表示が無いのは、アルコール飲料くらいです。

 


 これは、どういうことかというと……、

「フェニルケトン尿症」(アミノ酸の一種、L-フェニルアラニンをうまく代謝できない体質。発生率は8万人に1人)の子どもが摂ると、脳に障害を及ぼす可能性がありますよ、だから気をつけてくださいね、という注意喚起です。


 だから、アルコールには()内の表示がないのですね(個人的には、大人だから大丈夫、とは考えていませんが)。

 

 

 ところで、「あなたのお子さんはフェニルケトン尿症ですか?」と尋ねられて、「イエス/ノー」で応えられる方がどのくらいいるでしょう?

 大半の方は「ふぇに……? なんて言いました?」ってなりません?


 まぁ、現在は新生児のうちから早期発見・治療が可能になっているそうなので、この点に関しては極度に怖がる必要はないと思いますが……。

 

 

 

まとめ。

 お馴染みの文言になってきましたが、ヒダマルは、アスパルテームを摂取しようとはサラサラ思いません。

 ところが、ヒダマルが好きなチューハイ系飲料(アニメ『たくのみ。』を観てからハマっています)の成分表には、半分以上の商品に「アスパルテーム、スクラロース」という言葉が記載されています。

 そのため、飲める製品が限られている状態です。残念。


 糖質オフ・カロリーオフも結構ですが、もう少し根本的な意味で工夫を凝らした商品開発をしてほしいと願う限りです。


 以上、ヒダマルでした。