こんどはどこ。 『きんぎょがにげた』
五味太郎さんの絵を見たことがない方って、どれくらいいるでしょうか。
『まどからおくりもの』はクリスマスの絵本の定番ですし、『きいろいのはちょうちょ』も何度読んでも楽しい仕掛け絵本です。
その五味太郎さんの代表作といえば……?
繰り返しのクイズ。
子どもの心に残りやすい、繰り返し絵本です。
家のそこかしこに逃げていくきんぎょを、「こんどはどこ」との問いかけで探していくクイズ形式。
「2~4歳むき」と書いてはいますが、実際には0歳児に読んでも興味深げに見つめます。
ただ、固い紙ではないので、与えるとすれば2歳以降がいいでしょう。
初版は1977年。
実に40年以上も前の絵本です。「20歳を越えれば殿堂入り」とも言われる絵本の世界で、かなりの長寿を誇っていますね。
最近では、描き下ろしイラスト入りの記念切手も出たのだとか。ちょっと欲しい……。
『きんぎょがにげた』の魅力。
繰り返し絵本ではあるものの、単純なものではありません。金魚鉢から逃げ出したきんぎょが、ページのどこかに隠れてしまうのです。
はじめこそ簡単ですが、後になるにつれて複雑になり、小さな子にはちょっと難しい問題も出てきます。
そこでぴったりなのが、2~3歳児。
イヤイヤ期真っただ中や、それを乗り越えた子どもにとっては、自分は一人前のつもりです。
なんでもできるつもりでいます。実際に、身体の動き自体はもう大人とそんなに変わりありません。
一日中寝そべっていた赤ちゃんの頃と比べれば、目を見張る成長ですね。
ただ、現実には、彼らにはできない事がまだまだ山ほどあります。
そのジレンマへ安定剤として働くのが、『きんぎょがにげた』なのでしょう。
ちょっぴり難しい隠し絵でも、一、二回も読めば子どもたちは憶えてしまいます。「こんどはどこ?」と問われた時に、確実に答えられるのです。
子どもに丁度いい「できた」の感覚、体験ができる点こそ、この絵本の魅力だと思います。
まとめ。
はらぺこあおむし程ではないものの、こちらもグッズが色々あるようです。個人的には、積み木が欲しいですね。
積み木の作品の中にアクセントとして置いたり、「きんぎょがにげたごっこ」でもしようものなら……。
ぜったい楽しいじゃないですか。