音の魅力と、冒険の旅。 『めっきらもっきらどおんどん』
ヒダマル、大好きです。
読みきかせにはなかなか難しい絵本ですが、読んでいてとても楽しいんです。
発刊は1990年、ヒダマルとほぼ同い年。
絵を担当しているのは「降矢なな」さんですが、この方の絵本はどれも魅力的。ストーリーも外れなしなので、大人も存分に楽しめます。
素敵な擬音のオンパレード。
タイトルからして、すごいですよね。
『めっきらもっきらどおんどん』なんて、普段耳にすることもなければ、口にすることもありません。
そして、退屈な主人公・かんたが叫ぶめちゃくちゃな歌。
ちんぷく まんぷく あっぺらこの きんぴらこ
じゃんがら ぴこたこ めっきらもっきら どおんどん
ここをどんな風に読むか、腕の見せ所です。
不思議な世界で出会う三人の「化け物」も、実に面白い名前です。
その名も「もんもんびゃっこ」「しっかかもっかか」「おたからまんちん」。珍妙なのに、一度聞いたら忘れられない響きを持っています。
化け物というか、デザインと神社で出会う辺りからして「神様」のような存在なのでしょう。しっかかもっかかは『まゆとおに』に出てくる山姥の子ども・まゆに似ていますね。
『めっきらもっきらどおんどん』の魅力。
人間の男の子「かんた」が不思議な世界に迷い込み、三人の化け物と遊んで帰ってくるお話。
ザ・絵本な展開ですね。
想像するだけでワクワクしませんか。
見るからに個性的なキャラクターたちは、ダイナミックな構成の絵も相まって、動いているかのように見えます。月並みな表現で恥ずかしい限りですが。
山村浩二さんの絵にも通じますが、「アニメーションになったらこんな感じかな」という想像が、何の努力もなく可能なのです。
下のサイトで数ページだけ試し読みできるので、のぞいてみてください。
(数ページ読める)めっきらもっきらどおんどん|絵本ナビ : 長谷川 摂子,ふりや なな みんなの声・通販
本を読むという体験は、正に「別世界に行って、帰ってくる」感覚です。
その意味で『めっきらもっきらどおんどん』は象徴的な作品ですし、他の代表作では『おしいれのぼうけん』や『エルマーのぼうけん』がありますね。
降矢ななさんの本だと、『きょだいなきょだいな』なんかも素敵なラストです(粋でさりげない演出がたまりません)。
『おしいれのぼうけん』『エルマーのぼうけん』よりも分量的に読みやすく、3歳頃から楽しめる絵本です。
まとめ。
うぅん、アニメの紹介のように情熱的にやれたらいいのですが。
鉄板な絵本しか紹介してないので、結局「お勧めです」で締めるしかないのが悩みどころです。
次回はヒダマルの持ってる中から紹介してみようかな。