「いないいないばあ」はなぜ面白い? 乳幼児の特性から解説。
いないいない……、
ばあ。
手や布で顔を隠し、「ばあ」の合図と共に出てくる、ただそれだけの遊び。
お子さんがいない方でも、耳にしたことくらいはあるはずです。知名度の高さはドラえもんを超えると予想します。
日本に限らず、海外でも同じような遊びは存在していますね。
英語なら「 Peek-a-boo(ピーカ・ブー)」。
イタリア語なら「Bao bao cette(バォバォ シェッテ)」。
言語が違えど内容はほぼ同一、「いないいないばあ」は万国共通のあやし方なのです。偉大です。
……でも、ちょっと待ってください。
「いないいないばあ」って、そんなに面白いですか?
隠れて出てくるだけですよ?
いや赤ちゃんは大爆笑してますが、こんだけやっても飽きないってこの子頭悪いんじゃなかろうか大丈夫か?
なんて疑問を、元保育士なヒダマルが解説します。ぺこり。
乳児の社会性。
生まれたばかりの赤ちゃんは世話の全てを大人に任せ、自らは何の能力もないと思われがちですが、実はしっかり社会性があります。
相手の顔に注目しているのです。
例えばこんな落書きがあったとすると、
乳児はより「人間の顔」に近い方、右側の落書きを注視する時間が長いことが知られています。
つまり、赤ちゃんは本能的に、人と関わる術を持っているのです。
「ほらやっぱりね」の安心感。
生まれて一年程度の乳幼児にとって、この世は刺激に満ち溢れています。常に新しい発見があり、常に新しい経験があります。
はいはいやつかまり立ちを始めようものなら、そのフロンティア精神は留まるところを知りません。生まれながらの冒険者です。
しかし同時に、怖いものや痛いことに出くわす可能性も、急速に高まります。試練です。ディシプリンです。
そんな時に嬉しいのが、「ほらやっぱりね」の感覚。
「ちょちちょちあわわ」「いっぽんばしこちょこちょ」等のわらべ歌遊びは、常に同じメロディ、常に同じ結末が用意されています。
何度でも同じ体験ができる環境があり、「ほらやっぱりね」の安心感があるからこそ、新しい世界への探索を続けられるのです。
※保護者をはじめとする特定の養育者の存在は、その最たるものです。
いないいないダチョウ倶楽部。
「顔に注目する本能」
「ほらやっぱりねの安心感」
乳幼児が持つ、ふたつの特徴……。
これらに対応する、究極のエンターテインメント……。
……もうお分かりでしょう。
そう、
乳児幼児にとっての「いないいないばあ」とは、
「ダチョウ倶楽部と熱湯風呂」なのです。
「そんなん絶対面白いやんズルいやん」っていう組み合わせなのです。
この最強コンボは、「いないいないばあ」に限らず有効です。
例えば「タオルを頭に乗せて、落とす」だけで大爆笑することもあります。試してみてください。
まとめ。
「いないいないばあ」の謎を、保育士の視点から解明してみました。堅苦しい言葉を使えば「乳幼児心理学」です。
このブログ、半年以上更新してない割には月500人くらいの方が見てくださってるんですよ。
なんか申し訳ないなと思って、気まぐれに更新してみました。
ネタを思いつき次第、ゆる~く続けて行こうと思います。
「いないいない」部分が長いかもしれませんが、たまに覗いてみてくださいませ。